2013.12

2013_12

「冬至」

季節がぐるりと回り冬が巡って来た。
冬は心が落ち着いて物事を考えやすくなるから好きだ。
今年出来なかったことの反省、来年の計画や目標、 これから自分が成すべきことを考える。
ここ数年の時間の経過の早さを思うと、もはや一年単位では考えられない。
私生活についてもいろいろなことが劇的に変わる。
かつて怒りや悲しみで押し潰されそうだった過去も、今では古い修道院のよう。
人生のモザイクは複雑なほど美しいと知る。

2013.06-07

2013_6_7

「サマータイム」

個展のある月とその翌月は、ふた月でひと月分のように感じるほどあっという間に時が過ぎてしまう。
しかし今回は個展のせいだけではなく、自分の生活環境が変化したせいもあるのだと思う。 夜がなくなって、毎日昼間をずっと生きているような感じさえする。本来は夜の住人なのに。
でも昼間に夜を感じるよりはずっと健康的なのだから、今はなるようになればいい、と思うことにした。

2013.05

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「いつまでも、どこまでも」

少し前に進んだはずなのに、押し戻されていて
ちょっと先が見えたようなのに、気のせいだったり
時間だけが過ぎて、一向にそこへ辿り着けそうにない
もっと先に、早く早く行きたいのに
それでも波と砂にまみれて立ち尽くしていると
疲労と失望の波間にキラキラとした希望が見え隠れする
だから、またその場所へ
その先を見に戻ってゆく

2013.04

2013_4

「その魅力について」

うまく説明できないのだけれど
子どもの頃、心臓をドキドキさせながら
花弁に止まる蝶蝶を
背後からそっと息を詰めて
指先でつまむのに似ているのです。
プレス機を通った銅版から
紙を持ち上げるときが
まさにそれに一番近いです。

2013.03

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「内包」

ようやく冬が終わりかけた頃に
鮮やかな色彩の花をみつけ
思わず手をかざしたくなった
あたたかな春の色彩をたたえる
優しい灯火

2013.01-02

2013_1_2

「新しい白」

冬の白はつめたい
ミモザの枝が折れそうに積もった新雪
あたためてもあたためても温かくならない白い部屋
真新しい冷蔵庫
コトリと独り言のように落ちる製氷機の氷
新しい通勤経路
真っ白な息を吐きながら不安と期待
冬の白は下ろし立てのスケッチブックのようだ